pasta&wine勝どきMIKIのブログ記事
2019 07/02 11:19
アンドレ・マルローが書いたものに“La Condition Humaine”というのがある。邦題は『人間の条件』彼が30代初めに書いたものだ。物語の背景は1927年3月に起きた上海事件から4月の上海クーデターまで。横光利一の『上海』と共に、読んでおくべき歴史小説のひとつだ。「映画化はされてるの?」「マルローは1955年に一度された。横光...
2019 07/01 11:18
再度、イスラエル・エプシュタイン『宋慶齢』から引用する。「上海に着いて2ヵ月目、孫文の死去からわずか10週間後に、 この沿岸の中心都市と国全体が1925年5月30日、五・三〇事件として知られるようになった出来事で震撼させられた。その日、外国の管轄下にある上海の「公共租界」の警察官が、イギリスの監督官の命令で、 デモ行進中の学生たちに対し...
2019 02/12 03:11
バスク紀行#61/おまけ:戦後唐突に台頭した日本人単一民族話について02敗戦は、日本国から四海の外にある領土すべてを奪った。日本国とは、日本列島を指すようになった。一時は沖縄さえ失った。日本人多民族説が失速するのは、このときからだ。入れ替わって、大勢として語られるようになるのは「日本人は日本列島に古くから住む単一民族である。稲作を糧の手...
2019 02/11 03:10
バスク紀行#60/おまけ:戦後唐突に台頭した日本人単一民族話について僕は、旅行のときもkindleを持って歩く。kindleには僕の敬読書が入っている。愛読書ではない。敬読書である。迷路へ入り込んだとき、僕は敬読書へ還る。鴎外だったり荷風だったり、ときにはBraudelだったりWittgensteinだったりする。kindleは僕の携帯...
2019 02/10 03:09
バスク紀行#59/旅のおわりに03TGVがボルドーを通過した頃、考えていたのはバスクとボルドーの位置関係だった。今回のバスク紀行は、最初からボルドーからの視線でいようと思っていた。ボルドーの西側にあるバスクという土地・・である。ピレネーの尾根が二つに分けるバスク人。彼らの差異をボルドーから見つめてみようという姿勢だ。それもあって旅の終着...
2019 02/09 03:08
バスク紀行#58/旅のおわりに02TGVが動き始めると、嫁さんはすぐにipadを開いた。取材してきたレシピのチェックである。夢中で写真とメモを読んでいた。僕はkindleがご相手だ。今回は、本は一冊だけ辻さんの「美味礼賛を読む」だけにして、あとはkindleで済ませた。今回の旅行は3つのことを目的としていた。①可能な限りバスク料理を食べ...
2019 02/08 03:07
バスク紀行#57/旅のおわりにバイヨンヌを旅立つ朝、僕らは宿泊先のホテルで朝食を済ませた。パリ/モンマルトル駅行きTGVは、午前10時10分バイヨンヌ駅発である。荷物は二人だというのに多い。僕らはいつもバゲッジはマトルーシュカにして出発する。そして旅先で、バゲッジからバゲッジを出して、どんどんと数が増えていくという方式である。今回はパリ...
2019 02/07 03:07
バスク紀行#56/バスクの民族問題03国民主権が国家体制の主流になると、その国民が国家を構成する正統性/優等性が強調されるようになった。こうした傾向は教育と風潮で補完され、自国民の栄光が「あたかも古代からあった」ように描かれていく。つまり自らが太古から存在する独自"民族"であることを強調し、エストethnicに基づく...
2019 02/06 03:06
バスク紀行#55/バスクの民族問題02一方、フレンチバスク側のバスク人たちだが、こうしたスペインサイドの悲願とも言える民族運動の動きからは常に一歩下がった態度でいた。フランコ政権のバスク人弾圧を逃れて、相当数のバスク人が親類縁者を求めてピレネー尾根越えをしたため、フレンチサイドのバスク人人口は激増したが民族運動そのものは過激化しなかった...
2019 02/05 03:16
バスク紀行#54/バスクの民族問題西暦1300年頃より、カスティーリャ王国の許、スペインバスク地方は大西洋貿易の中継点として大きく栄えた。歴代の王たちはバスク人へ沢山のフエロ(地域特別法)を与えた。それは政治的独立/国税免除/兵役免除など多岐に亘るものであった。半独立国家の集合とも言えるスペイン王国は、さまざまなフエロ(地域特別法)は他...