仲摩邦彦建築設計事務所のブログ記事
2015 06/10 14:52
1933年、ヒトラーによるナチス政権ができると、それを避けてドイツを脱出した、建築家、ブルーノ・タウトは、シベリア経由で、日本に亡命し、その後のおよそ3年半を、日本で過ごしました。このブルーノ・タウトの日本での3年半が、およそ80年が経った現在まで続くほどの深い爪跡を、日本の建築にのこすことになります。と言っても、建築家ブルーノ・タウト...
2015 06/04 13:51
『赤い靴』や『シャボン玉』などの童謡で知られる、詩人、野口雨情の書斎、「童心居」。宅地の一隅に建てられた、およそ8畳ほどの「ちっぽけな」離れですが、本人は、「私の安息所は童心居である」と繰り返すほどに、お気に入りだったのだそうです。野口雨情は、故郷の家を人手に渡し、20代、30代を、樺太、東京、北海道、東京、故郷、北海道、水戸、東京とい...
2015 05/29 15:04
作家、山本有三の家。といっても、もともとこの家を建てたのは、山本有三ではなく、実業家でもあった、清田龍之介という人だったのだそうです。1926年（大正15年）のこと。当時、玉川上水沿いのこのあたりは、まだ、雑木林がひろがる別荘地のような場所だったといいます。そのつくりは、全体としては、「周囲の雑木林と調和するように造られた、イギリス風の...
2015 05/18 15:42
戦後に出来た、もっとも有名な住宅の一つが、多分、この「塔の家」だと思います。1960年代、東京オリンピックのための道路拡幅によってうまれた、わずか６坪の三角形の土地。そこに建てられた、建坪４坪足らずの、建築家の自邸です。地階までの６層が、垂直に繋がったワンルームのようになっています。つまり、扉は、玄関だけです。個室だけじゃなくて、トイレ...
2015 04/22 18:18
ここ最近で、持っていた大量のCDのほとんどを、処分してしまいました。もともと気に入って買ったものばかりだったので、もちろん、寂しいような気持ちもありましたが、スッキリもしました。というわけで、もう手元には、ほとんどCDはなくなってしまったのですが、ごく少数ながら、どうしても手放すことが出来ず、まだ残っているものもあります。そうしたものの...
2015 03/31 15:49
スペインの都市サラマンカのマヨール広場。17世紀、スペイン・バロックの末期。チュリゲラ一族によって広められた、いわゆるチュリゲラ様式を代表する建築の一つが、これです。ねじくれた柱、グニャグニャの曲線、大量の彫刻。原型がわからなくなるぐらいに過剰な装飾で、豪華絢爛に、建物を覆い尽くしてしまうところが、このチュリゲラ様式の特徴なのだそうです...
2015 03/17 16:19
アントニン・レーモンドは、日本で、建築家として独立した当初、フランク・ロイド・ライトから受けた、強烈な影響に苦しみ、その引力圏からの脱出を目指していました。ライトから、少しでも遠くへ、少しでも遠くへ…。そんな風に突き進んだ末に、当時ヨーロッパで興っていた、シンプルでモダンな、新しい建築へと、急速に接近していくことになります。横浜にある、...
2015 02/26 17:36
アントニン・レーモンドは、
チェコ人の建築家で、
元々は、帝国ホテル建設のため、
巨匠フランク・ロイド・ライトの助手として来日しました。しかし、
トラブル続きの現場に嫌気がさし、
ホテルの完成をまたずに、
ライトと袂を分かち、独立します。そして、
その生涯のほとんどを、主に日本で、活動します。レーモンドは、独立当初、
超個性派ライトの強...
2015 02/13 19:03
明治時代...。工部大学校造家学科（後の東京大学工学部建築学科）の、最初の教授に就任したのが、建築家、ジョサイア・コンドルです。 それ以前に教壇に立っていた、少々いかがわしさの残る、明治のお雇い外国人教師たちとは異なり、広い学識に基づく、体系的な建築学を身に付けていたという、このコンドルは、明治日本が初めて迎えた、「本物」の建築家でし...
2015 02/06 18:24
私が学生の頃、過去の歴史的な建築から、その一部を引用したり、それらを折衷したりするような、いわゆる、「ポストモダン建築」というものが、大変、流行っていました…。 ただ、その一方で、好きな建築家は誰か、嫌いな建築家は誰か、というようなアンケートを、当時の建築学科の学生にしてみると、嫌いな建築家の上位には、大抵、そうした「ポストモダン建築...
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