仲摩邦彦建築設計事務所のブログ記事
2015 09/28 15:01
今年（2015年）の3月に、残念ながら、亡くなられたという、建築家マイケル・グレイヴス。彼は日本にも、いくつかの建築をのこしているのですが、その中の１つで、外観のデザインを監修したという建築、アルテ横浜。お堅いイメージの公団による賃貸住宅のデザインを、当時、もっともチャラい感じがあった（失礼）、「ポストモダン建築」の旗手、マイケル・グレ...
2015 09/14 15:34
一目で分かる、フランク・ロイド・ライトの影響。日本基督教団高輪教会。この建築を手掛けた建築家、岡見健彦は、学校を卒業してすぐに、ライトの日本における後継者とでも言うべき遠藤新の事務所で働き、その後、1929年（昭和4年）、ライトを追いかけて、アメリカに渡り、ライトの自邸にして、仕事場でもあった、タリアセンで、およそ１年間、実際にライトの...
2015 08/25 15:37
新発田カトリック教会です。中心部に、六角形の聖壇があり、その周囲を、半円形に信者の席が取り囲むという、複雑にして、巧妙な平面構成。大地から生え出たような、煉瓦積みの壁の上に、丸太を組んだ、豪快な屋根が架かっています。聖壇の上には、六角形の塔が聳えています。そして、その塔の上部にはトップライトがあり、そこからの光が、聖壇に降り注ぐようにな...
2015 08/07 17:28
皇太子時代の昭和天皇のご成婚を記念して、台湾在住の邦人有志が造営、献上したという、この旧御涼亭。「水の上に建つ御休息所」で、「夏の御散策の際に涼をとる建物」なのだそうです。台湾閣とも呼ばれています。池や周囲の緑に調和して、大変美しいのですが、やはり、きわめて特異な、そのかたちが気になります。現地にあった説明書きによると、「清朝中期以降の...
2015 07/28 16:25
20世紀初頭に興った芸術運動、表現主義は、絵画、文学、演劇、音楽など、あらゆる芸術分野にわたっていたのだそうです。そして当然、建築にもその傾向を持ったものが現れました。ただ、表現主義は、決まった理念を持った統一された芸術運動、というわけではなかったのだそうです。そのため、一口に表現主義と言っても、その表現方法もさまざまです。ただそれでも...
2015 07/17 16:30
武蔵野公会堂です。道路に面した部分の、宙に浮いているような臙脂色の箱も、目を惹くのですが、なんといっても特徴的なのは、ホール部分の不思議な屋根の形状です。なんでも、ホールの音響を考えた天井のかたちが、そのまま屋根のかたちとなって表れているとのことです。まず四角形の箱をつくり、その箱の中に、音響を考えた天井をつくるというのが、よくある、一...
2015 07/08 17:21
今でこそ、建築の表現方法の１つとして定着した感のある、コンクリート打放しですが、それが出現したときの衝撃は、かなりのものであったと想像されます。コンクリートそのものの質感にこだわり、「コンクリートの荒い表面はそのままでも美しいことがある」と、意図的に、建築の表現方法に用いた最初の建築家は、アントニン・レーモンドではないか、と言われている...
2015 06/25 16:40
つい先日、このブログでもとり上げた「塔の家」は、わずか6坪の三角形の土地に建てられた、建坪4坪足らずの超狭小住宅です。この極端な狭さから、通常の家のように、平面的に部屋を繋いでいくことができないため、吹き抜けや階段などを使いながら、縦方向に部屋を繋いでいくという設計がなされています。内部にはドアひとつない、垂直的なワンルーム空間でありな...
2015 06/23 14:52
ガウディや、ダリにも、多大なインスピレーションを与えたと言われている、スペイン、バルセロナ近郊のモンセラートは、「のこぎり山」を意味するという、その名の通りの奇怪な眺めで、大変印象的です。切り立った崖に、巨大な岩が、折重なるように連なっている、この不思議な山は、また、聖母マリア信仰の地となっている霊山でもあるのだそうで、山の中腹には、修...
2015 06/16 16:03
ナチス政権を逃れ、亡命先として訪れた日本で、建築家ブルーノ・タウトは、当初の予定をはるかに超えて、およそ３年半の月日を過ごすことになりました。この間、彼は、多くの日本の建築を観て歩き、それらに対する批評を、さまざまな著作や日記などにのこしています。中でも有名なのが、桂離宮への賛美と、日光東照宮への酷評です。彼は、日本の自然と調和した簡潔...
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